冬になると、手足の先が氷のように冷たく感じて眠りにつきにくかったり、朝起きたときに体が重く動かしにくいと感じたりすることはありませんか?
とくに更年期世代になると、「冷え」は単なる不快感にとどまらず、ホルモンバランスや自律神経、免疫機能までも揺らすサインと受け止めた方がいいと思います。
浜松の冬は、日中の寒暖差が大きく、風が強く乾燥しやすい地域。
体の表面温度が奪われやすく、知らず知らずのうちに「血液の流れ」が鈍くなる季節です。
では、人の体の血液循環はどのように働いていて、なぜ冷えが起こるのでしょうか。
血液循環のメカニズム〜体の中の「めぐりの道」〜
血液の循環は、心臓・血管・血液という3つの要素が連携して成り立っています。
その目的はただ一つ。
皆さんのお身体の全身の細胞に酸素と栄養を届け、不要なものを回収すること。
心臓はなんと、1日に約10万回拍動するポンプです。
左心室から送り出された血液は大動脈という大きい血管を通って全身をめぐり、毛細血管で全身の細胞に酸素と栄養を渡します。
その後、老廃物を抱えた血液は静脈を通って右心房に戻り、肺で二酸化炭素を吐き出し、新しい酸素を取り込んで再び左心室へ。
この繰り返しが「体循環」と「肺循環」です。ちょっと難しいお話ですが…
血液を運ぶ血管には、
- 圧力の高い動脈(送り出す)
- 酸素と栄養を交換する毛細血管(受け渡す)
- 心臓に戻る静脈(回収する)
の3種類があります。
心臓から遠い手足の様な末端では、心臓の圧力は届かないので、身体を動かすときの筋肉の収縮や呼吸の動きが血流を押し戻す「ポンプ」として働きます。
つまり、筋肉が動くことで血流も動く…この仕組みが「冷え」を左右する鍵になります。

冷えが起こるメカニズム
冷えは単なる「温度の低下」ではなく、「血液がうまく巡らず、熱が運ばれない状態」のこと。
とくに更年期世代では、ホルモンと自律神経の変化が加わるため、冷えが慢性化しやすくなります。
① 自律神経による血管収縮
寒さやストレスを感じると、交感神経という神経が優位になり、手足の末梢血管がギュッと収縮します。だから手足が冷たく感じるのですが…
これは、体の中心(脳や内臓)の温度を守るための防衛反応なんです。
大切な脳や内臓を冷やせないので、血液を体幹に集めようとします。
その代わりに、手足や皮膚への血流が減り、熱が運ばれなくなります。
「冷え性」というよりも、体が「命を守るモード」に入っている状態なのです。
そんなに生命の危機に陥っている訳ではないのですが…(笑)身体はそう判断してあなたの身体を守ろうと必死なんです…。
② 筋肉のポンプ機能の低下
長時間のデスクワークや運動不足で下半身、特にふくらはぎの筋肉が硬くなると、上半身に 血液を押し戻す力=筋ポンプ作用が弱まります。
特に下半身の筋力が低下すると、静脈血が心臓に戻りにくく、むくみが起こり始め、水を多く溜めた足は冷え始めます…そして、重ダルくなっていくんですね。
③ 毛細血管の衰えと「ゴースト血管」
ちょっと怖いお話をしますね…
冷えが慢性化すると、毛細血管が萎縮して血液が流れなくなります。
この状態を「ゴースト血管」と呼びます。
ゴースト血管では細胞が酸素や栄養を受け取れずに代謝が落ちていきます。
肌のくすみ・乾燥・疲労感が続くとき、それは“内側の冷え”が表面化しているサインかもしれません…怖いですね…
④ ホルモンバランスと体温調節
更年期に入ると、エストロゲンの分泌が急激に減少します。
女性ホルモンを出している脳の下垂体という部分は、自律神経とも密接に関わっており、女性ホルモンの乱れは自律神経の乱れに繋がり、体温調整がうまくいかなくなることがあります。
急なほてり・発汗・のぼせといった「ホットフラッシュ」も、体が温度コントロールを失いやすくなっている証拠です。
でも、「暑いんだから冷えているよりいいんじゃない??」と思っていませんか?
身体の血液の量は一定です。上半身に血液が集まっている…ということは下半身や内臓に血液がいっていない…ということですよ。血液が十分に届かないところは代謝が落ちますよね。
更年期女性が気をつけたい「冷えのサイン」
- 朝の手足の冷たさが続く
- 足先の冷えと同時に、腰や下腹部の重だるさがある
- 夜中にトイレに起きやすい
- 肩や背中の筋肉がこわばっている
- 気持ちのアップダウンが激しく、眠りが浅い
これらはすべて、「血流と自律神経のバランスの乱れ」が背景にあります。
冷えは心身のサインであり、放っておくと代謝・免疫・ホルモンすべてに影響します。
IASO式・冷え改善の3ステップ
冷えの根本改善には、温める・ゆるめる・めぐらせるの3つのアプローチが必要です。
Step 1:温める 〜ヒノキの酵素風呂で深部から温熱を循環〜
ヒノキの酵素風呂は、発酵熱による「自然の深部温熱療法」です。
リラックスしながら治療に匹敵する「温熱療法」が受けられます。
皮膚表面だけでなく、毛細血管・リンパ・筋膜層までじんわり熱が伝わり、体の芯から温まります。
体温が1℃上がると免疫力は約5〜6倍に上がるとも言われ、冷えが原因で低下していた免疫細胞も活性化。
週に1回の酵素浴習慣で、血管の弾力・自律神経のリズム・代謝のスイッチが整いやすくなります。
浜松の冬のように冷たい風が続く季節こそ、本格的な寒さを迎える1・2月の前に「温め貯金」をつくるチャンスです。
Step 2:ゆるめる 〜筋膜リリースで血流の通り道を再生〜
冷えの根本には、筋膜のこわばりや滑走不全も関わっています。
浅い筋膜と深い筋膜がありますが、浅い筋膜は全身をふんわり包む膜で、血管・リンパ・神経の通り道。
ここが癒着して動きが悪くなると、どれだけ温めても「流れ」が止まります。
IASOの「オイルトリートメント」は、浅層から深層へと段階的にほぐし、筋膜の滑走性を取り戻すことで、血流とリンパの通り道を再生します。
施術後に体がポカポカし、呼吸が深くなるのは、循環が再起動した証です。

Step 3:めぐらせる 〜アロマトリートメントで自律神経を整える〜
最後に必要なのは、神経とホルモンのバランスを取り戻すこと。
アロマの香りは嗅覚を通じて大脳辺縁系に届き、ストレスで緊張した交感神経をやわらげます。
副交感神経が優位になることで血管が拡張し、体は再び「温まるモード」へ。
IASOのアロマトリートメントでは、ホルモンバランスを整える精油をブレンドし、呼吸・循環・心のリズムを調和させていきます。
冷えを整えることは、自分を整えること
更年期とは、「女性の体が次のステージへ移行する準備期間」
冷えや疲れやすさは、体が“変化に順応しようとしている「証」でもあります。
けれど、忙しさやストレスでその声を無視してしまうと、めぐりが滞り、体も心も固まってしまうのです。
温めること、ほぐすこと、香りでゆるめること。
そのひとつひとつが、自分の身体と心を再び「めぐる流れ」へと戻す行為です。
浜松の冬の空気のように澄んだ空の下で、自分の体の温度を取り戻す… その時間が、また新しい一年を生きるためのエネルギーになります。
- 血液循環は「心臓・血管・血液」が連携する体のめぐりの要。
- 冷えは、血管収縮・筋力低下・毛細血管の衰え・ホルモン変化によって起こる。
- 更年期女性は、自律神経の揺らぎによって特に冷えやすい。
- ヒノキの酵素風呂で深部を温め、筋膜リリースで通り道を開き、アロマで神経を整えることが、冷えを根本から解消する近道。
冷えをただの「体質」ではなく、「体からのメッセージ」として受け取ること。
その視点を持つことが、これからの季節を健やかに過ごす第一歩です。
IASOで冬支度を始めましょう。スタッフが身体のお話を伺い、理想的な通い方を一緒に考えます。ご来店をお待ちしております。
文責 佐々木直子